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事業承継対策としての従業員持株会の設立

2011年10月24日

Q. 中小企業の事業承継対策として、さまざまな方法があると思いますが、従業員持株会を設立することも有効な手段と聞いています。 従業員持株会を設立した場合、オーナーや株式を保有する従業員において、どのような税務上の論点が生じるのでしょうか?

解 説

不動産取得税の税率

1.従業員持ち株会の概要

従業員持株会は、「民法上の組合」形式が一般的です。
この場合、税務上はパススルー課税となり、持株会ではなく、組合員が直接株式を保有しているのと同じ課税関係が生じます。

2.なぜ、従業員持株会の設立が事業承継対策になるのか?

事業承継対策のためには、会社の株価を引き下げる必要があります。 オーナーが保有している株式の評価額は、「1株あたりの評価額」×「保有株式数」で算出され、 従業員持株会に株式を移転すれば、「保有株式数」が減少し、その結果、オーナー保有の株式の評価額が下げられるからです。

3.各時点における、オーナーと従業員の税務上の取り扱い

(ア)従業員持株会設立時
オーナーが従業員持株会に株式を移転した時に、20%の譲渡所得課税が生じます。 ただし、移転時の価額は配当還元価額を適用するので、影響は軽微と思われます。

(イ)従業員持株会運営時
会社が配当を出したときに、オーナーと従業員に配当所得が生じ、20%の源泉税がかかります。 この場合、原則は確定申告が必要ですが、年10万円以下の配当であれば、確定申告は不要です。

(ウ)従業員持株会脱退時
従業員が会社を退職する場合、従業員持株会の規約により、自動的に脱退し、保有株式が買い戻されます。 通常、この買い戻し価額は、最初の拠出金額と同額で買い戻されるため、譲渡所得は発生しません。

要するに・・・

会社が従業員持株会を設立して、オーナーが保有している株式を譲渡すれば、財産の価額が減少して、オーナーの相続税対策になります。 税金的にも、多額な配当を出している中小企業以外は、影響は軽微であると推測され、相続対策としては大変有効な手段だと思います。 しかし、株式を3%以上保有している従業員は、会社の会計帳簿の閲覧権を有しますし、 何十%と多量に保有することとなる従業員は、会社の意思決定にも影響を及ぼしますので、注意が必要です。

東京相続パートナー 税理士 小嶋大志(こじまひろし)


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