小規模宅地特例と老人ホームの入所事由
2015年04月11日
少子高齢化が叫ばれて久しい昨今、介護等が必要なく元気なうちから老人ホームに入所する方も 多いことはご存知でしょうか?
ひとくちに老人ホームと言っても様々な種類があります。 介護を必要としない自立した方が入居可能な施設もあれば、要介護・要支援の認定を受けていないと入居できない施設もあり、 施設ごとに入居要件は異なります。
さて、以前からご紹介している、相続時に自宅の宅地の評価額を下げることのできる 「小規模宅地の評価減の特例」ですが、念のためおさらいしますと、
◎ 被相続人等が「事業」または「居住」用として使っていた宅地等について、一定の要件を満たした場合、 相続税の課税価格に算入する金額が最大80%減額される制度 でした。
老人ホーム入所による空き家も特例の対象になった
被相続人が老人ホームに入所していた場合ですが、平成26年1月1日以後の相続について、 次の要件を満たす場合は、空き家となった自宅の宅地も、この特例の対象になっています。
■ 特例対象の要件
【1】 被相続人が、相続の開始の直前において、介護保険法等に規定する要介護認定等を受けていたこと
【2】 その被相続人が老人福祉法等に規定する特別養護老人ホーム等に入居又は入所していたこと
【3】 その家屋が貸付等の用途に供されていないこと (= 自宅を他人に貸していないこと)
国税庁質疑応答集事例 より
入所理由と特例の適用判定
ここで注目したいのは、【1】です。
以前は老人ホームへの入所理由が、介護が必要なためと限定されていたのに対し、 現行では、入所の時点で要介護認定を受けていない人でも、相続開始直前に要介護認定等を受けていれば対象となる、とされています。
被相続人が要介護認定を受けていたか否かは、あくまでも相続開始直前に判定されるので、 入所の事由は「小規模宅地特例」の適用の判定に影響しないということですね。
なお、適用となる老人ホーム等の施設は具体的に次の通りです。
・ 養護老人ホーム
・ 特別養護老人ホーム
・ 軽費老人ホーム
・ 有料老人ホーム
・ 介護老人保健施設
・ サービス付き高齢者向け住宅
・ 障害者支援施設又は共同生活援助を行う住居
・ 認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居
老人ホームに入所するにも、相続のことを考えると、 要介護と認定されてからでなければ子供たちの税負担が重くなる・・・、 と悩んでいた方々にとっては朗報ではないでしょうか。
東京相続パートナー メールマガジン「相続不安まるごと解決講座」再編集
●◎ファイナンシャルプランナーと税理士が、相続のすべてにお答えします!◎●
メールマガジン【 知って安心! 相続不安まるごと解決講座 】 好評発信中!