復興特別所得税が始まる来年から源泉徴収はどうなるか?
2012年11月15日
Q. 来年の1月1日から復興特別所得税が施行されることに伴い、源泉徴収事務はどのように変わりますか? また、今年の年末調整で平成24年12月の給与を翌年の平成25年1月に支給する場合の復興特別所得税は源泉徴収する必要がありますか?
解 説
「復興財源確保法」が公布され、平成25年1月1日から施行されることに伴い、復興特別所得税の源泉徴収に係る取り扱いが大きく変わります。
1.復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるか?
平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません。
2.源泉徴収すべき復興特別所得税の額は?
(1)計算方法
源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額=支払金額等×合計税率 ※
※ 算出した源泉徴収税額に 1円未満の端数がある時は、その端数金額を切り捨てます。
(2)合計税率
合計税率(%)=所得税率(%)× 102.1%
3.弁護士・税理士等への報酬の具体例
従来は弁護士・税理士等への支払いは支払額の10%が源泉徴収されていましたが、来年からは、10.21%となります。
時 期 | 報酬額(A) | 源泉税率 | 源泉税(B) | 支払額 (A−B) |
---|---|---|---|---|
平成24年12月まで | 100,000円 | 10% | 10,000円 | 90,000円 |
平成25年 1月から | 100,000円 | 10.21% | 10,210円 | 89,790円 |
4.平成24年12月分の給与を翌年1月4日に支払う場合の源泉徴収
契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与については、その支給日がその給与の収入すべき時期とされています。 したがって、この場合、平成25年1月4日が収入すべき時期となり、平成25年分の所得となりますので、 復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
要するに・・・
来年から復興特別所得税が始まることで、源泉徴収事務が大きく変わりますので、給与や報酬の支払時の源泉徴収税額に注意が必要です。 また、給与計算時に必要な「源泉徴収税額表」は来年1月から変更されますので、従来の税額表を使用しないように気をつけましょう。
おまけの解説
普通預金の利息が100,000円だった場合も、従来は、15%の源泉所得税と5%の利子割が差し引かれ、下記のような仕訳となっていました。
借 方 | 貸 方 | ||
---|---|---|---|
普通預金 | 80,000 | 受取利息 | 100,000 |
法人税、住民税及び事業税(所得税) | 15,000 | ||
法人税、住民税及び事業税(利子割) | 5,000 |

しかし、来年からは2.1%の復興特別所得税が始まりますので、下記のようになります。
借 方 | 貸 方 | ||
---|---|---|---|
普通預金 | 79,685 | 受取利息 | 100,000 |
法人税、住民税及び事業税(所得税) | 15,000 | ||
法人税、住民税及び事業税(復興所得税) | 315 | ||
法人税、住民税及び事業税(利子割) | 5,000 |
東京相続パートナー 税理士 小嶋大志(こじまひろし)
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