平成25年度税制改正(1)相続・贈与税の改正
2013年02月19日
1月末に平成25年度の税制改正の大綱が発表されました。今回から3回に分けて、税目ごとにポイントをご説明いたします。 相続・贈与税の改正では、やはりなんといっても一番大きい改正は基礎控除の縮小でしょう。
この改正により、大都市周辺に持ち家を保有している と課税されるケースが激増すると思われますので、 前もっての事前対策がますます重要になります。
Q. 1月末に平成25年度税制改正大綱が発表されました。この中で、相続税・贈与税に関する改正のポイントはなんでしょうか?
解 説
今回の改正の特徴は、平成23年度の税制改正で発表されたものの、立法化が見送られたもの(基礎控除の改正、相続時精算課税の見直し、 相続税と贈与税の税率の変更など)が多い点です。
あとは目玉政策として、教育資金の贈与に係る贈与税の非課税 が挙げられます。
1.相続税の基礎控除
【現 行】 | 5000万円+1000万円×法定相続人の数 |
---|---|
【改正案】 | 3000万円+600万円×法定相続人の数 |
2.小規模宅地等の居住用宅地の面積の上限の引き上げ
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、居住用宅地の適用対象面積の上限を、 330平方メートル(現行240平方メートル)に拡大する。
3.相続時精算課税の見直し
【現 行】 | 受贈者は推定相続人のみ、贈与者の年齢は65歳以上 |
---|---|
【改正案】 | 受贈者に20歳以上である孫を追加 贈与者の年齢要件を60歳以上に引き下げ |
4.相続税と贈与税の税率の変更
贈与税と相続税の最高税率を55%に引き上げるなど税率を全体的に引き上げる一方で、 子や孫等が受贈者となる場合の贈与税の税率は比較的に緩和する。
5.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
子や孫に対する教育資金の一括贈与に係る贈与税について、子・孫ごとに、1500万円までを非課税とする措置を創設する。 贈与期間は、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されたものに限る。
※上記1〜4の改正は、平成27年1月1日以後に発生する相続や贈与に適用されます。
要するに・・・
今回の税制改正の一番大きな点は、やはり基礎控除が現行の控除額の6割に縮小された点でしょう。 この改正により、従来の控除額ならば相続税がかからなかった場合でも、課税されるケースが著しく増加すると思われます。 相続時精算課税は受贈者や贈与者の条件が緩和されたので、若干使い勝手がよくなりました。
東京相続パートナー 税理士 小嶋大志(こじまひろし)
●◎ファイナンシャルプランナーと税理士が、相続のすべてにお答えします!◎●
メールマガジン【 知って安心! 相続不安まるごと解決講座 】 好評発信中!